脳梗塞事件
前回は確認のため、三度目の大腸カメラ検査が楽だった、というお話でした。
そして、2019年4月8日。
少しお腹は緩めだけど、その他は問題なく、9日のL-CAPを最後に当日退院する気持ちで、この日は朝の採血から始まりました。もう炎症値も正常だったけど、まあ、念には念を入れて。
明日のL-CAPに備えて首にはカテーテルが刺さっているので、いつものようにそこから採血。もう点滴もしていないから腕でも大丈夫だったんだけど、せっかく首から採血できるし、注射の刺し直しもなければ痛くもないのだからこちらを選ぶでしょ?
・・・
気づいたらベッドの上で意識が朦朧としてました。
強烈な頭痛と吐き気に加え、目を開けているのに何も見えず、看護師さんたちの声だけが聞こえてくる。どうやら自分はベッドに寝かされたまま、どこかへ運ばれているようで、方向転換したりするとちょっと気持ちが悪い。
でも、意識が朦朧としているためか、目が見えないからなのか、まるで夢を見ているような感覚でした。吐き気もするけど、現実感がないというか、そんな感じ。
そのうちに親の声が聞こえるようになり、調子はどうか、などと聞かれたので、目が見えないと答えた記憶があります。目の前に手をかざしても、光が遮られたという感覚しかない。
この後、ベッドで運ばれて治療が始まりました。
青っぽい個室に入り、口に酸素マスクをして、寒さに震えながらじっと耐えてました。そういえば、耳栓もしましたね。
意識を失いそうになりながらも何とか治療を終えて戻ってきたのは、集中治療室。集中治療室の看護師さんはすごく優しいですよ。そんなにしなくてもいいのに、というほど。
こうして何が何だか分からないけども、とりあえず意識が回復して(しかし失明中)落ち着いたのが19:00くらいでしたか。この時、発熱もしていたけど頭痛は治っていたのでそのまま眠ったのでした。することないし、できないし。
翌朝。
頭痛や吐き気は治ったものの、相変わらず何も見えない。
ただ、何となく人影というか、輪郭らしきものが見えるようにはなってきましたね。また、腕を上げてみたり、足を折りたたんでみたりできるかどうか、ということを何度か試されました。後から聞いたところによると、脳に障害があるとそういうことができなくなるらしい。
髪を洗ってもらった(ベッドの上で!)り、主治医や神経科の回診や歯を磨いたりしている間にも段々視力が戻ってきて、昼過ぎくらいにはもう見えるようになっていた気がするんだけど、改めて見回してみると、集中治療室だなあということが分かります。
ベッドの上にはディスプレイがあり、色々な数値が絶え間なく動いていて、患者さんには色々な線が繋がれている(私も)。部屋も通常の病棟より広いんですね。また、廊下の作りも少しくねっていたりして、独特でした。
この日は15:30から昨日受けた治療が始まりました。
高圧酸素療法、というもので、通常の20倍(だったかな?)の酸素を特別個室で受けるのだけど治療は5時間もかかるのです。また、基本的に一度入ったら治療が終わるまで出られないし、金属は持ち込めないので、何もできない。おまけにゴーッという音がずっとしているので、会話もできない。
何かあった時の為に神経科の先生も一緒に入ってくれてたんだけど、5時間も大変だなあと思います。先生は本を持ち込んでいたので、どんな本なのだろうと覗いてみると、それは医学書でチンプンカンプンでしたね。
治療が終わったのは21:00くらい。もう目も見えるということで、普通病棟に帰ることになったのですが、この時、消化器科から脳卒中集中治療科へ転科されていて、帰ると言っても違う部屋だったのです。新しい担当看護師さんが挨拶してくれたけど、消化器科の看護師さんに挨拶できず移ってしまったのが、少し寂しく申し訳ない気持ちでした。
その部屋には窓があって、そこで撮影したものが文頭の写真です。
自分の手も、人のものじゃないみたいに真っ白でしたね。
数日後、何故倒れたのかということの説明を受けるのですが、文章が長くなってきたので、次回に譲ります。