誰かさんの不思議

音楽活動の合間に感じる不思議なことを雑談しています。

”正解するカド”を観ました

これから始まるアニメ作品、としてどこかで紹介されていて、あらすじから面白そうだなあと思っていたものの、その後すっかり忘れていたのですが、いつの間にやら完結したようで、それが期間限定で公開されていると知り、今回観てみました。

 

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今のSFというのはこういうものなのだろうか?

 

あらすじを読んでみると、”幼年期の終わり”のような感じです。

どこからともなくやって来た何者かが、人類を凌駕するテクノロジーを持っているのだけど、侵略することもなく、ただ世界を良くしようとしてくれる。見返りを求められもしない。”幼年期の終わり”では、さらに姿も見せないので尚更不気味なのだけど、”正解するカド”では姿を見せるし、世界を進めるため、というようなことを言っているので、不気味さはあまり感じません。 

幼年期の終わり (光文社古典新訳文庫)

幼年期の終わり (光文社古典新訳文庫)

 

SFの代表的な作品として知られる”幼年期の終わり”をおそらくオマージュしているであろう作品ですし、そこからまた違う”正解”を示してくれるのだろうとワクワクした記憶があります。

 

でも、総集編を見ると腕組みをしてしまいます。

期間限定ですが、一通りご覧いただけますので興味があればご覧になってみてください。好き嫌いがあると思うので、否定するつもりはないんですけど、期待していた作品ではなかったです。

 

幼年期の終わり”の方が清々しいというか潔く描かれていますかね。切ないけど。

 

ひょっとしたらアニメの原作として小説があるのかなと思って検索してみると、どうやらアニメオリジナルらしいですね。でも脚本の方がそのまま小説家でもあるようでした。

 

時代が変わったってことなのでしょうか。

 

私が大学時代に読んでいたミステリの多くは、私より年上だけどいわゆる若手作家が多かったのですが、彼らに対して、老練なミステリファンからは「人物が書けていない」等々バッシングがあったそうです。ただ、当時、私自身はそのように感じませんでした。パズル的な面白さに魅了されていたように思います。

 

今、これと同じようなことが起きているのかなと考えてしまいます。

 

世代格差とでも言いますか、物語に期待する面白さという基準が異なって来ているのかな、と。それこそ”幼年期の終わり”のラストのような気分です。

 

願わくば、ワクワクに始まって、色々と考えさせられるSFを昔のように読めますように。