曲って何だろう
あれは映像作家さんとお話ししていた時だったか「楽器だけの音楽より歌物の方が人気あるんですよね」と私が言ったところ、「そんなの当たり前だろ」と返されたことがあります。
世界中の統計をとったわけじゃないから分からないけど、確かにセールスとしてはそんな傾向があるので、その時はとりあえず納得した一方で、どこか腑に落ちない感がありました。
どうして当たり前なんだろう?
人の声に安心感を覚えるから?
同じ音が続いても子音や母音が違うとバラエティ豊かに聴こえるから?
多くの人にとって、音楽(曲)とは何だろう。
以前、ラジオを聞いていた時、そこには水道橋博士さんが出演されていて、ある曲を勧めていたのですが、始終、詞の話をしていました。この詞のこういうところが良い、とか何とか。
それを聞いて「あぁ、この人にとって曲というのは詞のことであって、メロディーやハーモニー、リズムといったものは曲を評価する基準にはないのだな」と思ったのですが、今考えてみると、これって多くの人に言えることなのかなと。
聞くところによると言葉のない音楽を聴いて何かをイメージする、というのは割と特殊な能力らしいです。そのイメージが制作者の意図通りかどうかは関係なく。
こういう話を聞くと、多くの人は、音楽だけを聴いても何も感じることができないので、詞の内容からイメージを作り出している、もっと言うと音に合わせた文章を読んで音楽を楽しむという行為としているのかな、と思うわけです。
でもそれはそれでいいと思います。
音楽の楽しみ方なんて人それぞれ。
文章を読みながら音を聴いてもいいし、音を聴いて想像してもいい。
ただ、答えを知りたい人というか、自分で想像することを楽しみとしない人の方が世の中には多いのだろうな、と。
私に「当たり前」と返した人は、きっとそういうことを分かっていたんだろうな。
進捗ノート、始めました
こんなサービスを見かけたので始めてみました。
文字通り、制作進捗を書いていくものなんですが、スケジュール機能もあるもののそれほどビジネスライクでもなく、創作活動の一助に、というサービスのようです。
私はこちらで11thアルバムの制作進捗を記録していこうかなと思っています。
Twitterで創作進捗をつぶやいている方もいるかと思いますけど、フォローしているみんなが知りたい情報でもないだろうし、細々つぶやくのも煩わしいかと思いますので、アルバム制作の進捗に興味のある方はこちらを覗いてみてください。
こちらでは、「今日はこんなところを作った」というような細かいところやメモ、ちょっとしたアイデアを書いていく予定です。
本当はこういうものがなくてもきちんと作らないといけないんだろうけど、まあ、こういうものがあった方が張り合いも出るかな、と。
使い勝手が良ければ、他の創作でも使っていこうかと思います。
頑張ろう。
”清洲会議”を観ました
昼食時、仕事仲間と映画の話になり、その席で進められたので”清洲会議”を観てみました。
織田信長が本能寺の変で倒れ、その後の後継者を決める会議の模様をドラマにしたものなのですが、非常にコミカルに描かれています。
織田家の行く末(と言いつつ自分の力をどう誇示するか)を話し合う会談。想像だと割と殺伐としているといいますか、知略合戦になるんじゃないかと思うのだけど、三谷幸喜さんの本作ではそういう感じではないですね。
「ミステリが好き。映像だと古畑任三郎なんかよく観てた」という私に対しての勧めが本作でした。
なので、コミカルな中に駆け引きの妙が見られるんじゃないかとワクワクしていたのですけど、少々想像していた面白さとは違うものでした。会議の席上よりもそれ以前の根回しに重点があるようで、確かにそこには駆け引きがあるんですけども、席上でのやり取りを期待していた人間としては「会議はいつ始まるんだろう?」となってしまい、間延びしている印象だったわけです。
歴史上の清洲会議をご存知の方は、自分のような感想を抱かないのかもしれないですけど、ちょっと物足りなかったですかね。これはこれで面白いと思いますけど。
ただ、お市の方については勉強になりました。
浅井家に嫁いだ後、てっきり長政と自害したと思っていたのですが、清洲に戻ってきていたんですね。信長と長政はそれぞれ脱出させようとしたけど、お市の方はそれを拒んだ、という様子をドラマか何かで見たような気がするんですけど、人違いだったのかな。あるいはそれが脚色されたものだったか?
何はともあれ、DVDレンタル自体だいぶ久しぶりだったので、その辺も含めて楽しめました。旧作だったので安かったし、折角会員になったので、他の旧作も観てみようかなと思います。
コミティアにて
先日の日曜日、東京ビッグサイトへ行ってきました。
巨大さが伝わりますかね。
いつ見ても変な形の建物だなあと思いますが、威圧的というか空を圧倒するような感覚を毎回覚えます。
目的はコミティア。
素敵な絵を探すこと、所縁ある創作家さんとお会いすることを目的にお邪魔したのでした。
会場は相変わらずの熱気と広さで、昼過ぎに到着して回れるかと不安にはなったけど、とりあえず一通り回ることができました。何点か画集も購入しました。ただ、席を外していたのか、挨拶のできなかった知り合いがいたのは少々残念でしたね。
昨日の今日で疲れ気味だったので、一通り巡ったし早めに帰って休むことにしました。
写真は屋上展望台(だったかな?)という開けた場所。
帰りのバス停を探す途中で見かけたので一休みしました。誰もいなかったので、少し横になってみたり。しんどかったので。
なんかこう、他の方の情熱に触れて創作魂を呼び起こすのもいいけど、たまにはのんびり空を眺めるのもいいなあ、なんて思います。
風に流れる雲を見たり、ずっと遠くを望んだり。
作りたいものはたくさんあるけど、自然体であることを忘れないで、思うがままに頑張ろうと気持ちを新たにするのでした。
初めてのダブルヘッダー
先日、野球観戦に行きました。
この時期、ホームでのライオンズ戦は暑さが酷いので土日でもナイトゲームなのですが、一方でその暑い時間に隣接する西武第二球場では二軍戦が行われています。
二軍戦の観戦は初めてでないけど、西武第二では観戦したことがなかったので、ドームでの観戦日と重なったこともあり、少し早く家を出て観戦してみることにしました。聞くところによると、屋根もなく、ベンチも(数脚しか)ないそうなので、日よけのタオルと下に敷くシートを持って行きました。(観戦無料です)
試合開始30分前くらいに到着したけど、相手がジャイアンツだからなのか夏休みだからなのか少々見辛い場所になってしまいました。座るところも土手のような場所なので、何となく草野球でも観戦しているような感じですかね。
練習中、木村選手が潮崎監督の現役時代のフォームを真似てサイドスローしてたのが少しおかしかったです。また、お客さんが座っている土手の上をドラ1、齋藤投手が歩いてました。私服だとすぐには分からないですね。この前まで大学生だったわけですし。
試合はライオンズの勝ち。先発の郭投手の内容がほぼ完璧だったので、一軍の事情を考えるとチャンスがあるかもしれません。
試合終了後、バックネット裏から。
この日は風もそこそこあり湿度も低かったので、日差しの暑さはあったけど、思ったよりキツくはなかったです。7回くらいから座っていた場所も日陰になりましたし。ただ、地べたに2時間半座っているのは、結構疲れるので、簡易の折りたたみ椅子などあるといいかもしれません。
そして、そのままメットライフドームへ。
こうして比べると、一軍の試合はなんと華やかなことだろうと痛感します。
この日は”親子ヒーロープロジェクト”なるイベントもあり、私の周りも親子連れが多く、親御さんたちが諌めるほど子供さんが賑やかでした。
「初回からこんなに声を出して9回まで持つのか?」と思ったりもしましたが、休みつつ応援していたためか、終盤寝てしまうようなこともなく、8回の逆転打は大盛り上がりでした。
その金子選手による逆転打が決勝となり、ライオンズ勝利。
私の観戦勝率も5割となりました。
その後、ヒーローインタビューも堪能し帰路についたわけですが、さすがに疲労困憊でした。夕方にカレーを少し食べた程度で試合中は水だけだったこともあるかもしれない。(実質夕食抜き)
外にいる、というだけでも結構疲れるので、今後同じようなことをする際はもう少し準備をしようかと思います。熱中症にはならなかったけど、みなさんもお気をつけください。
#6 チップチューンと私【迷宮組曲】
ファミコン時代の好きだった曲を思い出して綴るチップチューンなお話。6回目はハドソンの迷宮組曲。ちなみに第5回はこちら。
ファミコン時代のゲームはとりわけ難しい作品が多く、この迷宮組曲もそんな作品の一つだったと思います。ゲームと音楽を溶け合わせた初めての作品、という見方もされるようですね。
当時はただただゲームの音楽が好きで聴いていたのですが、そう言われてみると確かに音楽を意識させるものが各所にありました。
ボーナスステージもその一つ。
ステージに楽器の箱が隠されていて、それを見つけるとボーナスステージに進めるのですが、この箱は全部で7つあり、箱を見つける度にボーナスステージのBGMに楽器が一つ増えるのです。最初はドラムだけ、次はベースが加わって…という風に。
7つ集めた最後のボーナスステージはそれはそれは賑やかで楽しいし、集めて行く過程においても段々と楽器が増えて隠されている曲ができていく様子は子供心にワクワクさせられたものです。当時は同時発音数の制限なんて知りませんしね。
同時発音数を考えると、音楽を広く聴かせるアイデアというか仕掛けも当時の制作者さんは苦労されたんだろうなあと思います。最近耳にする、ゲームの進行に合わせた曲の流れや音数の増減というアイデアの元はこういうところにあるのかもしれないね。
#5 チップチューンと私【ドルアーガの塔】
ファミコン時代の好きだった曲を思い出して綴るチップチューンなお話。5回目はナムコのドルアーガの塔。ちなみに第4回はこちら。
軽く調べてみるとアニメーションにもなったようで、ゲームとしてはシリーズが続いていないものの根強い人気はあるんだなあと感じます。ドラゴンクエストがリリースされる前までは、ファンタジーなゲームといえばドルアーガの塔、という人も少なくなかったんじゃないかな。
かく言う私もその一人で、ベーマガの記事を見ては空想していたような気がします。簡略化された絵やアイコンが好きな理由の一つはドルアーガの塔なのかもしれない。レッドラインシールドとかガントレットのアイコンなんかカッコいいんですよ。
独特な世界観にあった音楽も素晴らしく、ステージが始まる際のBGMは高い塔に挑戦する雰囲気がよく出ているし、ステージBGMもギル(主人公)が戦う勇敢さを感じます。ドラゴンのステージの不気味さも良いですね。ドラゴンの炎に恐れ慄いたものです。
そんな中でも一番好きなBGMは57階と最上階で流れるイシターの曲。
この曲を聴いた時、すごく不思議な感じがしたのと同時に自分の音楽に対する考え方が変わったような記憶があります。今聴いてみるとミニマルミュージックのようで、スティーブ・ライヒの音楽を理屈なく楽しめる理由はこんなところにあるのかなと思います。ゲームBGMをカセットテープに録音して聴き込み始めたのもドルアーガの塔が最初でしたね。
また、効果音もカッコいい。
特に剣を抜く時の音の重厚な感じがたまりません。
他にも思い返せば色々とまつわる話(カセットレコーダーでの録音方法を覚えたとか、使い過ぎて機械の調子が悪くなったとか)はあるのですが、延々と続きそうなのでこの辺で。とにかくゲームと音楽について思い出深い作品です。攻略法を知っていてもクリアは難しいと思いますけど、よろしかったらお試しください。