初心に
程度の差はあるけれど、音楽には大抵何か思い出がくっついているものだと思う。
音楽には時間を閉じ込められる…なんて言ったらロマンチックですかね。…そうでもないか。
作業が煩雑になってきたり、上手くアイデアがまとまらなかったり、あるいは気が高ぶって手に着かない時は、いつもWilliam Ackermanの「月に向かって」を聴きます。
私が最も尊敬する音楽家の作品です。
月に向かって CONFERRING WITH THE MOON
高校で音楽に興味を持ち、FM音源を使ってゲーム音楽の模倣をしていた頃、それだけじゃダメだと模索し始めた時に知ったアルバムです。
アコースティックギターを中心としたアンサンブルなのですが、初めて聴いた時、なんて美しい音楽なんだと感激した記憶があります。と同時に、自分の目指す音楽はこういうものなのだと感じ入りました。
シンプルな旋律、響き、そして間。
目を閉じて聴いていると、広い広い情景が浮かびます。
音楽を作る事に意味を感じて歩き出したあの頃の気持ちが蘇ってきて、心がニュートラルになる作品。聴く度に、音楽ってやっぱりいいねって思います。好きになれて良かったとも、ね。