誰かさんの不思議

音楽活動の合間に感じる不思議なことを雑談しています。

インシテミタ

先日購入した「インシテミル」を読了。
1回目は純粋に謎解きしながら、2回目は伏線をみながら。推理小説は、全く同じ文章でも謎を知っているか知らないかで全く印象が変わりますね。伏線はもちろん、「あぁ、この時の彼はきっとこんな気持ちで言葉を発しているんだな」なんて考えながら読むとまた面白い。

さて、感想。

久しぶりに純粋な謎解き物語を読んだから、ということもないけど、とても面白かったです。文章のテンポも歯切れもいい。この作家さん、「日常の謎」を扱うスタイルらしく、あまり殺人事件等々は書かないらしいのが個人的には残念なのだけど、また機会があったら、またミステリを読みたいな。
ワタクシ個人的には、いわゆる本格って言われるような推理小説が好きです。叙述ものも好きだけど、どちらかというとパズルがいいかな。

被害者が発見された時、「自分だったらどうやって殺すだろう?どうすれば足がつかないだろう?」なんて考えながら読むのです。
DEATH NOTE」の時もやっぱりこんな風に読んでいたのだけど、一方で「人が駒のように扱われていて気持ちよくない」とか「人物に感情移入できない」なんて話も聞きました。


そうかもね。


でも紙の中で起こっていることは、あくまで虚構。物語に描かれている出来事の内にあるエッセンスをどう自分に取り入れるか、ということが本を読む楽しみでもあるし、意味でもあるような気がします。
人殺しの話を好んで読む人間が人殺しになるわけじゃないし、人として生きるにあたって書かれた高尚な本を好んで読む人間が、必ずしも聖人君子になるわけじゃない。

もちろん、本だけに言えることじゃないよね。