以前、映像が変わっているというお話を聞いてから興味を持っていた作品。
全編86分間、1シチュエーションということで、ずっと車中の男性を映していて、その車からの電話連絡のみで物語が進行していきます。
特に説明のないまま、車は動き出します。
どうやら病院へ向かっているらしいけど、詳しい事情がよく分からない。
主人公は運転中に病院や家族、仕事先に連絡しているので、その会話から段々と彼の事情が分かってくるのですが、どうやら相当厳しい状況のようです。
映像が車中の男性のみで、物語としても緊張感はあるけど驚くような仕掛けがあるわけでもなく、人によっては退屈に感じるかもしれません。当たり前ですけど、電話をかけたり、かかってきたりが頻繁なので、私はそれほど退屈をしませんでした。尺もそれほど長くないですしね。
とは言え、広くお勧めできるかと言えば、そうでもないように感じます。
ジャンルとしてはサスペンスだけど、会話の妙によって物語が変化していくというわけでもなく、扱っている内容も凡庸なので、わざわざ観る必要はないのかな、と思ってしまいます。もう少し、会話のやり取りが物語の面白さに繋がったら良かったなあ。