誰かさんの不思議

音楽活動の合間に感じる不思議なことを雑談しています。

ゲームとその音楽の進行

ゲーム音楽を作る時、そのシーンや意図に合わせた音楽を作る、というのは普通のことだろうと思います。怖がらせたいシーンでは怖い曲だったり、楽しいシーンでは楽しい曲だったり。

 

また、ゲームの場合はプレイヤーに音楽の演奏時間が委ねられているので、基本的にはループさせることを前提に作っていくわけですけど、ゲームの進行上「音楽を途切れさせずに遷移したいけど、演奏時間が確定できない」というケースもあるわけです。

 

先日リリースされた”リーメベルタ・ノア”では、全編の音楽を担当したわけですが、本作品のある場面で、上述のような”曲の進行をゲームの状態によって変更する”処理をしています。

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シーンが切り替わった瞬間に別の曲へ変更すると曲の断裂が顕著です。音楽プレイヤーなどで曲を聴いている最中に、別の曲に切り替えた感じですね。そういうことも考えたんですけど、制作チームさんから「拍や小節に同期して音楽を遷移させる仕組みがある」と教えていただき、それならば、とループと変更させる部分を工夫して、より自然に曲が流れるようにしたわけです。

 

どのシーンなのか、ここには書きませんけど意識していないと結構分からないものじゃないかなあと思ったりするけど…どうでしょう?

 

ゲームの進行に合わせて音楽の質を変更していく手法は、結構昔からありますね。

 

ストリートファイター2では、体力が減ってくるとテンポが上がるとか。FC版ドラゴンクエストでは、洞窟に潜れば潜るだけテンポと音程が下がるとか。FF6のラスボスBGMもそうだったかな?今回のリーメベルタ・ノアで取った手法はFF6と同じですね。ある小節に来た時、ゲームの進行具合をチェックしてAパターンに移行するかBパターンに移行するか決める。

 

こういう手法、ゲーム制作者さんからするとやっぱり興味深いものらしく、取り入れたいという方は少なくないんじゃないかなと思います。音楽を作る方としても、できる限りそのゲーム作品に寄り添いたいと思うものですし、正にゲーム音楽ならではというものでもあるので、純粋に面白そうだと感じます。

 

ただ、具体的に発想するには音楽の知識がある程度必要になると思いますし、作曲するにしてもちょっと変わったアプローチになるのかなとも思います。”ゲーム音楽作家”という能力が必要というか何というか。

 

とはいえ、技術が上がってきてこういったことができるようになるのは、とても興味深く楽しみなことでもあります。

 

基本的にはプログラマさんと相談、ですけど今後ゲーム音楽を作る機会があれば、そういったことも含めて色々とトライしてみたいなあと思います。