作曲の始め方
高校二年生の文化祭振替休日にTAKERUで買った”みゅあっぷ98”が、音楽制作にのめり込むきっかけになったんだけど、その制作サークルさんが現在も活動していて、おまけにRTまでいただき少々興奮しまして。
思い出しながら作曲を始めた頃の話をしてみようかなあと思った次第です。
まず、私には音楽的な素養が全くありません。
子供の頃に楽器を習っていた経験もないし、音楽の成績が良かったわけでもない。
吹奏楽をやっていた経験もなければ、バンドを組んだことすらない。
今思うと、よく作曲をしようなんて考えたものだ。
ただ、音楽を聴くことは好きでした。
父がクラシックファンだったので、子供の頃から家ではクラシックが流れていたし、母は映画音楽だとかイージーリスニングを良く聴いてましたね。リチャード・クレイダーマンとかポール・モーリアとか。
そんな中、私は私でファミコンの音楽が好きで、BGMをカセットテープに録音しては家で聴いてたものです。ライン入力なんて知らないから、テレビにレコーダーを近づけてそのまま録音していたので、所々生活音も入っていたけども。
さて、作曲の始め方。
今はネットで色々な情報が出てきますよね。和声の話、スケールの話、楽器の話、等々。どこから手を付けていいか分からない、という人もいると思うんですけど、私の場合はコピーでした。まずはひたすら好きな曲を聴いてそれを真似する。いわゆる耳コピーってやつです。
好きな曲だから何回聴いても飽きないし、そうやって繰り返したくさんの曲をコピーしているとその曲の良さが体に染み込んでくるように思います。当時は調べようにもできないので考えなかったけど、センスってこうやって磨かれるのかもしれないな。和声なんかは論理的に学べるけど、テキストでセンスを磨くのは難しいのではないか?そうでもないか?
後は思い出しコピーですね。
昔聴いた曲を「こんな感じだったかな」と思い出しながらコピーしていく、目の前にオリジナル音源がないので、想像というか空想というか妄想というか。
あの曲、好きだけどお金がなくて聴けないから、手持ちの音源でコピーして楽しむというパターンです。
こういうことをしやすくしてくれたのが、上述の”みゅあっぷ98”でした。
MML(ミュージック・マクロ・ランゲージ)で記述するのは一緒なんですが、N88Basicやバカスカウォーズ(知る限り最初のツクール)のサウンドドライバで鳴らすより遥かに楽でデータ管理にも便利でした。このソフトがなかったら音楽制作を続けてなかったと思う。面倒臭がりなので。
こうやって、曲をコピーし、FM音源で音色をコピーし続けていくと、気づけば作曲できるようになるわけですね。多分、理論は分からなくても音に対する感覚や感性が身につくと思います。このメロディーはこう展開させる、とか。そして、この後に楽典などを学んでいくと「あぁ、あの手法はこう呼ぶのか」と復習のようになります。
でも、音楽を楽しいって思えない人にはお勧めできない方法ですね。
今もコピーバンドなんかはあるのでしょうけど、昔より情報が入りやすくなっているし、コピーすることに対して意味を見出せないというか。下手すると叩かれることさえあるかもしれないけど、やっぱりどんなことでも最初は真似から始めるのが一番だと思うんです。
音楽に限らず、こうやって続けられる”好き”は是非大切にしてほしいなあと思います。