誰かさんの不思議

音楽活動の合間に感じる不思議なことを雑談しています。

それぞれのファンタジー

現在、ご依頼をいただいてゲーム作品の音楽を作っています。

 

ファンタジックな世界の元、オーケストラの楽器を主体にしつつ、どちらかというとポップな音楽に仕上げているわけですが、ファンタジーといっても様々だなあって思います。

 

自分が想像するファンタジーっていうと、世界が全体的に貧しいというか、色々なものがくたびれているというか、文化的に色あせているイメージがあって、音楽でそういったものを表現しようとすると、使える楽器も制限されてくるかな、と考えたりします。

 

その世界の楽器、あるいはその世界の人々が耳にするであろう楽器を使った方が、世界に寄り添えるかなと思うわけです。

 

例えば、”色”。

 

イラストレーターさんに聞いた話ですが、今は色彩豊かに絵を描くことができるけど、昔は色そのものを作ることが難しく、とりわけ青という色は高価な材料を必要とするため、多く使うことができなかった、のだとか。

 

なので、ファンタジーのイラストなどでこういった色を人工物へふんだんに使っているのを見ると、自分が想像するファンタジーと、この方の想像するファンタジーは違うんだなあ、と感じるのです。

 

もちろんどちらが良いとか悪いとかの話ではありません。

多分、視点の違いなのだろうと思います。

 

その世界を別の世界から見た人であるか、その世界にいる人であるか。

自分の場合は、後者なのだろうな、と。

 

ファンタジー世界の音楽制作依頼をいただいた際は、自分のスタイルを織り交ぜつつ、クライアントさんのご意見を尊重してファンタジーな音楽を作るようにしていますが、いつか自分の考えるファンタジーな音楽を泥臭く作れる機会があったらいいなあ、なんて思うのでした。