誰かさんの不思議

音楽活動の合間に感じる不思議なことを雑談しています。

旧作に学ぶ

少し前の話ですが、最近の若い方が”ドラゴンボール”を読んでイマイチと感じた、という記事がありました。別のところでも”ニューロマンサー”を”攻殻機動隊”のパクリと断じていた方がいたようですね。

 

後半の話は、時系列からいうと逆なので、知らないだけなのだろうと思う話なのですけど、礎となった過去作品を読んでガッカリするという気持ちは分かります。

 

私は推理小説が好きで読んでいたのですが、若手作家さんの文章が合わなかったので、いい機会だから古典的な作品、いわゆる黄金時代と呼ばれた時代の作品を読んでみたのです。

 

ところが、やっぱりガッカリするんですよね。

 

ヴァンダインの”ベンソン殺人事件”だとか、高木彬光の”人形はなぜ殺される”は、期待していただけにちょっと残念でした。ネタバレになるからここには書きませんけど、うーんと腕組みをしてしまう。ファンも多く、ロジックの美しさが取り上げられるエラリークイーンの謎シリーズも読んでみたいところなのですが、そんな訳で少し躊躇しています。

 

そんな中、時代としては新しいけど古典として紹介された鮎川哲也の”リラ荘事件”は面白かったので、こんな風な作品だったらいいなあと思ったりもするのだけど、どうなんでしょう。

 

でも、ガッカリするというのは、それだけそこに続いた人が洗練させたということなんですよね。読みやすさだったり、ミステリならロジックの美しさだったり。

 

単純に過去の作品を読んでガッカリするのではなくて、そこからどういう風に派生したかという読み方ができないと、古典というのは思ったより楽しめないものなのかもしれません。