#8 チップチューンと私【デッドゾーン】
ファミコン時代の好きだった曲を思い出して綴るチップチューンなお話。8回目はサン電子のデッドゾーン。
テキストを読んでコマンドを選び、物語を進めていく、いわゆるアドベンチャーゲームです。一応、音楽が好きという体でお話をしていますけど、本作品はタイトルとミニゲーム、エンディングでしか曲が流れません。それでも今回取り上げたのは、私が初めてエンドまでたどり着いたAVGであり、エンディングに感動したからなんです。
舞台は遠い未来のスペースコロニー。
婚約者に呼ばれて来たはずなのに、主人公は何故か廃棄所で目が覚めます。
そこには婚約者へ贈ったロボットが捨てられていて、修理しつつ廃棄所を脱出し婚約者のところへ向かうのですが…というのがあらすじ。
今のゲームのような親切さはないし、取り立ててヒントもなければネットもない。友人同士であれこれ意見を出し合いながら進めて行くのですけど、まあコマンドも多くて難しいんですね。特に悩まされたのが英単語の入力でした。やっとローマ字を習う小学生にはキツいものがあります。
それでも、どうにかこうにかエンドを迎えるわけですが、ラストのロボットのセリフと演出に心打たれます。今となってはベタな展開かなとも思うんですけど、子供心には来るものがありました。
そしてスタッフロールで流れるエンディングテーマ。
ミニゲームで流れる曲の編曲版(あるいは逆か?)なんですが、物語を締めくくる暖かさを感じます。主人公たちの表示を”キャスト”として流すあたり、スタッフの皆さんは映画を意識されていたのかなと思います。
今の小学生の心を打つかどうか分かりませんが、自分たちで考えて問題を解決し、ゴールに辿り着く物語を体験できたのは貴重だったなと思います。特に当時は本を読まないタイプの人間でしたし。
思い出深いゲームです。