CHIP STEPの曲について
昨日の続き。
こちらの音楽を9曲(+ステージ以外の曲3つ)ほど制作したのですが、今回はその曲のご紹介。
ちなみに、ステージBGMは私の他にディレクター兼サウンドスタッフでもあるNinoさんも参加されています。ゲーム中、ステージ確認欄に制作者の名前が書いてあるので、ご参考ください。似たような音源を使っていながら趣が全く違うので、比べてみるのも面白いかもしれません。
では、少し長くなりますが楽曲のご紹介。
■No.1 / OPEN SESAMI
タイトル、ステージセレクトなどステージ以外の場面で流れる曲です。
一番最初にユーザの耳へ入るので、チップチューンということももちろんですが、分かりやすくポップな雰囲気のゲームということを感じてもらえるような曲にしました。
■No.2 / BREEZE
リズムゲームなので、メロディーを大切にしつつもリズムの楽しさも感じてほしいと思いながら作っています。こちらの曲はヒップホップ風。跳ねたリズムをより感じてもらえるように、極々短い音も所々に混ぜていたりします。サンプリングされたドラムとの相性もいいですよね。
■No.3 / KEEP GOING
「こうすれば易しくなるに違いない」という要素を詰め込んで作った曲。
メロディーを覚えやすく、かつ予想しやすく。タップする場所を並べない。テンポを遅く、慌てさせない。それでいて飽きさせない。多分一番最初に遊ばれるステージだと思いますけど、そこそこ思い通りになったんじゃないかなと考えているんですが…どうでしょう?
■No.4 / KEEP GOING 2
No.3 KEEP GOINGのアレンジバージョン。少しテンポを上げて、タップの場所を増やしています。曲として聴くならこのくらいのテンポが好きなんですけど、このゲームの場合、難しい部類に入りますかね。
■No.5 / BREEZE 2
私の好きなジャンルの一つボサノバ。リズムゲームを作るとなった時、このジャンルだけは絶対入れようと思ってました。 No.2 BREEZEのアレンジバージョンなんですが、こちらの方がゆったりとしているし、難易度は低いかもしれません。
■No.6 / OLD PLAY
これも是非入れたかったズンダラ節。イースの音楽が自分の中にある”カッコイイゲーム音楽”の代表だったりするのですけど、そういう意味でリスペクト(とは少し違うか)として作りました。サビの部分はプレイヤーのタップが曲を作ると言っても良いぐらいなので、是非マスターして酔ってほしいです。
■No.7 / INTERLUDE
未使用曲。ハイスコア画面で使う予定だったような気がしないでもないのだけど…うーんちょっと思い出せない。遊んでくださる方にとってはどうでもいい話でしょうけど、表に出ているものの裏にはこんな未使用曲なんかもあるのです。
■No.8 / MERMAID
私の好きな音楽の一つ、サルサミュージック。先のボサノバといい、ラテン音楽っていいよね。レゲエもやれば良かったかな。サルサにはあまり馴染みない方も多いでしょうし、テンポも速いので、多分相当難しいと思います。実際のダンスも結構難しいと聞きます。これを聴いてサルサに興味を持ってくれたら嬉しいです。
■No.9 / OLD PLAY CP
OLD PLAYのアレンジバージョン。CPというのはcounter pointの略ですね。タップよりスワイプの方が多いので難しいかもしれない。何より、プレイヤーが対応する部分はcounter pointになるので、OLD PLAYのメロディーが頭に入っている人ほど苦戦するんじゃないかな。惑わされないようにね。
■No.10 / P'S CANON
言わずと知れたパッヘルベルのカノン。多くの方が知っているであろうクラシックの曲も入れたいと思っていたので、本作にはエンディングもないですし、エンディングテーマっぽいものを。お手本の必要がないほど有名な曲ですが、タップする場所も多いので、これはこれで難しいと思います。
■No.11 / GRAVITY 0
とある条件で遊べるようになる高難度ステージ。
KEEP GOINGで考えた易しさをひっくり返して、難しさの塊としてみました。私もほとんどクリアできません。ジャンルとしてはEDMになるのかな。これをクリアされたら、もう参りましたという他ないですね。エグいです。
■No.12 / STARLIT SKY
こちらも未使用曲。ユーティリティー画面の音楽…だったかなあ。こうして並べると、他がリズミカルなので妙に映えますね。星空の元ゆったりとどうぞ。
いかがでしたでしょうか。
こちらの曲がそれぞれ”お手本”にもなるので、実際に遊ぶ際の参考にしていただければ幸いです。また、アルバムとしてご購入いただけるとそれがチームの予算になるので、ありがたいですね。
一点だけ注意。
これまでの記事で述べていった本作に対する音楽的なアプローチ等は、あくまで私が音楽制作に携わった際に考えたこと、行ったことです。
ステージBGMは私の他、Ninoさんも参加されていますし、私とは違った考え方やアプローチがあります。そういった違いも含めて楽しんでもらえたら嬉しいです。
と、いうわけで。
何回かに分けて連載してきたCHIP STEP制作話もとりあえずここまで。11月に秋葉原で催されるデジゲー博に出展するとのことなので、もし良かったら覗いてみてください。
最後になりましたが、今回こういったゲーム制作に参加させていただき、ありがとうございました。ステージの難度を考えつつ作曲する、という貴重な経験をさせていただき感謝しています。
今回の経験を糧に、今後も良い音楽を作れたらいいなと思います。