制約と自由
デザイナーと一言で言っても色々です。
印刷物のグラフィックを専門にする人もいれば、建築物を扱っている人もいる。服飾の方もいるでしょう。
それぞれ専門性があるでしょうし、素人目にもデザイナーだからなんでもデザインできるとは思えない。
そんな中、こんなWEBデザイナーを度々見かけます。
「私は、WEB(多分HTMLやCSSを含めたブラウザのこと)での技術的制約を知ると、自由な発想ができなくなるから、そういった周りのことを勉強しようと思いません」
まあ、それも一つの考え方だと思うので、その場では特に否定も肯定もしないのだけど、個人的にはこういう方ってどうなの?と思ってしまうんですよね。
私の考える優れた方というのは、こういった制約を知った上でより良いものを作る人、なんですね。寧ろ、この制約自体を逆手に取り、場合によっては制約のないものより優れたものを作り出してしまう。
だから、上述のような方の発言を聞くと「私は自分の能力に自信がないです」と言っているようにしか聞こえないのです。ついでに言うと、デザイナーという肩書きを持っていても、創作姿勢を見るとアーティストと呼ぶ方が馴染むタイプが多い。誤字脱字に気づかない割に図形の少しのズレを気にしている人。「あなたの考えるデザインとは何ですか?」と尋ねたくなります。
知ること、学ぶことで自分の能力が下がるということは、世の中にそう多くないんじゃないかな、と思ったりします。結局は考え方次第というか、知れば知るだけ選択肢が増えるだけでなく、より良い判断をするための知識材料も増えると思うんですよね。
知ることで頭が固くなるというのは、その人自身の器の問題じゃないかな。
自分は知った上で柔軟になれるようでありたい。