チェンバロという楽器をご存知でしょうか?
本物を見たことがなくても、音色を聴けば「ああ、これね」と思う方も少なくないんじゃないですかね。
私の好きな音色の一つではあるのですが、聴いてみるとどういった印象を抱かれますか?
私の場合、アカデミックな印象を受けます。音楽史には疎いのですけど、学問に寄り添った楽曲という印象があるんですね。実際、クラシックの中でも古い楽器の部類に入るんじゃないかと思います。音色自体も何と言うんでしょう、機械的というか、歯車が回ってそうな雰囲気なんですよね。
なので、自分がこの楽器を使う時もそういった背景があったりするわけですけど、意外とこの音色を「かわいらしい」と評する方が多いようなんです。
オルゴールとはちょっと違いますけど、ピアノのような豊かさがなく、どことなくオモチャのような響きがそう感じさせるんですかね。
学術的というか、規律正しいシーンでこの楽器を使ったりすると「かわいらしいから違う音色で」なんて言われて腕組みをしてしまうことが時々あったりするわけです。
生きた環境が違うので仕方のないことだけども、音色一つとっても難しいものです。