「瞳の中のアビス」を遊んでみました
なかなか小説を読む時間がなく、ブクログへ感想を書こうと思いながら読み返している本も進まないのですが、ネットでふと見かけた作品に興味を覚え、短編ということも手伝って読んでみました。
作品名は「瞳の中のアビス」。
小説と言えば小説なんですけど、ツクールを利用したノベルゲーム、なんですね。
ノベルゲームというと、大きな人物画が出てくる画面を想像するところですが、本作品は、昔のRPGで使われていたような小さなキャラクターが細々アニメーションをしつつ、小説を読ませるというものですね。RPGと違うのは、セリフだけでなくて、一人称の地の文があること。これだけでも、小説を読んでいる、という雰囲気が出ます。
作風はホラーで、興味を覚えたポイントでもあるんですが、もう一つがカメラの視線をプレイヤーが移動できること。
主人公たちには見えていない部分をプレイヤーは見る事ができる、というわけです。
このシステムを見かけた時、面白いアイデアだなあと思いつつ、反面、見えないことから生じる不安というか不気味さというのもホラーの要素だと思うので、怖がらせるという主旨からは外れてしまうのでは?なんて考えたものです。
…読了後。
自分が想像していたホラーではなかった、というのが感想でしょうか。個人的にはサスペンス色の強いものを期待していたのですけど…本作品はグロテスクな色合いが強いのかな。カメラを移動できるというシステムを活かして、動かした時に背筋が凍るような演出なんかがあると良かったかもしれませんね。
フリーの作品ということで、実験的な意味合いもあるようです。
カメラを動かせるというアイデアはとても面白いので、これを更に活かした作品をまた読んでみたいですね。いつかはホラー作品の音楽というのも挑戦したみたいものです。
作品はWindows用です。興味が湧いた方は是非ご賞味ください。