先月の末にバージョンアップという形で再リリース(?)されましたwindows用パズルゲーム「マギポン!」のゲーム内BGMと効果音の制作を担当させて頂いたのですが、最初のリリースから作品がバージョンアップしまして、それに伴った楽曲の追加もしています。曲数は倍くらいになったのかな?エンディングテーマも作りましたし。
■マギポン!
http://xtalsword.com/html/magipon/index.html
体験版も無料でダウンロードできますので、是非お試しください。
さて音楽制作のお話。
ゲーム自体はパズルゲームという新作ですが、世界観としての前作がありました。「エリィのアクション」という少々意地の悪いアクションゲームがそう。
■エリィのアクション
http://xtalsword.com/html/eryi.html
制作側からは「可愛らしい音楽」程度の注文でしたけど、世界観を継承しているわけですし、音楽面からも統一感を持たせたいと考えました。ただ、一方で自分のオリジナルであるという要素も混ぜておきたい。
そこで考えたのが「楽器の構成を真似しよう」でした。
エリィのアクションでは、オーケストラ楽器を使ったポップな音楽という印象があり、特に木琴の音が可愛らしかったので、オーケストラを基本に木琴をフィーチャーしつつ、ポップな音楽を自分のイメージで構築していくというスタンスで制作を進めることにしたのです。
今回の制作の主役音源はMiroslav Philharmonik。
昨今のオーケストラ音源と比べれば、地味というか迫力に欠ける音なんじゃないかと思うのだけど、音色を重ねた時の響きが好きなんです。特に木管。優しいです。
マギポン!の音楽はほとんどこの音源で制作しました。少しだけブレイクビーツとエレキギターを使ってますけど、まあ、サブです。
今は値段も下がって随分とお安いものになりましたね。作りこむような技術がなくても、キレイに響くし動作も軽いので、入門用にはいいかもしれないです。ただ、ポップスに使うオーケストラではなくて、クラシック音楽のオーケストラなので注意。
■Miroslav Philharmonik
http://www.ikmultimedia.com/products/philharmonik/
さて、基礎を固めたところで、曲としては遊園地で遊んでいるようなものにしようという意識がありました。作曲にあたって、プレイヤーが遊ぶ時、どういう風な気持ちで遊んでほしいか、ということを考えます。爽快なゲームでもあるので、その爽快感もより感じさせようという意識もありましたね。あとは、覚えやすい曲であること。
ちょっと話は逸れますけど、プレイヤーが無意識の内にBGMを鼻歌しているのってこの上ない喜びであって、快感なんですよね。
色々な音楽制作者さんがいると思うけど、私は音楽に詳しくない人にこそ喜ばれるようなものを作りたいと思っています。音楽を知らないと楽しめないというのは論外で、例えば、子供からお年寄りまでちょっと練習すれば演奏できて、しかも楽しい音楽、上手い人ならもっと楽しい、というようなジャズのスタンダードナンバーみたいな曲が理想なんです。
眉間に皺をよせて頭を悩ませるのは作曲者の仕事で、演奏者や聴衆からは辛い感情を解放させたい。
マギポン!の音楽もそれを目指して作りました。
繰り返しになってしまうけど、是非遊んでみてください。
一曲でも鼻歌が出るようなものがあったら嬉しいな。
P.S.
次回は、使用したシンセの話も交えて、効果音制作のお話をしようかと思います。