誰かさんの不思議

音楽活動の合間に感じる不思議なことを雑談しています。

適正な価格と価値と

主婦の方が趣味の延長か何かでイラストを描き、報酬を得たが、その価格が格安なので本職のイラストレーターさんが困る、というニュースを先日見かけました。

 

それに対して賛否両論あるようで、適正な技術には適正な価格を支払うべきという声もありますし、趣味の延長である技術に勝てないイラストレーターさんの方が悪い、という声もあるようです。

 

依頼する側としては、コストを抑えたいものですし、全く同じものなら安価の方へ流れるのが普通なのかなあと思います。適正な価格を支払う文化がないと、衰退してしまうという危惧はあるでしょうけど、その世界の人間ではないと、中々そういう思考にならないんじゃないですかね。

 

私の場合は音楽制作なので、イラストの世界とは少し違うのかもしれないですけど、それでも昔に比べて、クオリティは格段に上がっているなあと感じます。機材についても、高品質なものが個人で手に入りますし、フリーとなって出回っているものさえあります。

 

限られた人間が持つ技術、というのはいつの時代も貴重ですし、重宝されます。そして、それが技術の進歩によって広く流布され、多くの人間が持つようになると、どうしたって価値は下がるものです。

 

なので、適正な価格を支払うべき、という声は少し違うのかな、とも感じました。多分今の世の中の適正であるのではないか、と思うわけです。きっといつの時代も貴重でないものは自然と淘汰されていたんじゃないでしょうか。

 

「いやいや、そうなったらその技術を終生かけて高めようとする人間がいなくなってしまい、文化が衰退してしまう」という方もいるでしょう。

 

でも、その時は、それに変わる新しい技術が生まれているでしょうし、その世界は成熟しきったとも言えるんじゃないですか。どんなものにも必ず終わりが来るものですから。

 

創作の世界は厳しいものだけど、貴重と思っていただける存在でありたいものです。