帰宅の際、いつものように電車に乗ると、大きめの声で電話する男が乗ってきた。
特別にだらしなくはないが、身なりが整っているとも言い難い出で立ち。若く見えるし学生さん…かな?
人の電話に耳をそばだてる趣味はないのだけど、その時は声が大きかったことと自分の認識している状況と違ったことを言っていたので気になってしまったのでした。
私の乗っている電車はA駅を出発し、B駅に向っていたのだけど、その男は電話口で「いまA駅にいる。家には向ってないよ。とにかく話を聞けよ。別れるなんていうなよ」と言っている。どうやら彼女から別れ話を切り出されているらしいが、相手が家から離れないよう自分が向っていないことをアピールしつつ行動しているようだ。うーん、姑息。
別れ話を切り出されて泣きつくなんて女々しい男だなあ、と思っていたら更に弁明。
「今度はちゃんと働くから。別れる以外のことなら何でもするから」
…う〜む。
会話の内容から察するに、働かない、或は労働の長続きしない男に愛想を尽かせて別れようとしている彼女と泣きつく男。”今度”と言っていたことからおそらく常習性があるのでしょう。身も知らぬ彼女さんに同情を覚えました。
ドラマや小説といったフィクションの世界には登場するこの手のダメ男。いるところにはいるものですねえ。それとも私の周りにはいないだけなのか?
昨今、”有言実行”なんて言葉が囃されていたりしますね。本来”不言実行”が美徳のはずなのに。昔「口数の多い男は信用できねえ」なんてセリフをどこぞで聞いたような気もしますがこれも時代なんですかね。
でも、たとえ時代錯誤と言われても、自分は行動で態度や気持ちを示せる人間でありたいな。
自戒を込めて。