誰かさんの不思議

音楽活動の合間に感じる不思議なことを雑談しています。

今度は腕から

3月25日、いよいよ食事が始まったという話に続いて、詰まったカテーテルの話。

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この病では、元々カテーテルが詰まりやすくなるそうで、毎日のようにぺパリン(だったと思う)という薬剤をカテーテルに注入します。このぺパリンの注入は痛みがないです。それどころか何も感じないくらい。この頃から採血も首から行なっていたのですけど、それも痛くない。

 

点滴の場合も針をさしっぱなしにして、薬剤を変えたりするわけですけど、その際は、血液と同じ塩分濃度の水を注入し、入り口を消毒した上で行っていました。この注入の際は、痛いというわけじゃないけど、冷たい水がググーっと入ってくる何ともいえない感じがあって、あんまり好きではなかったですね。

 

カテーテルが詰まった時点で、L-CAPは残り6回。

 

また首に注射するのは嫌だなあと思っていたら、主治医が曰く「首はリスクもあるし、残りは末端でやるから」とのこと。

 

末端って何?

 

どうしてそういうのか分からないけど、腕から行うとのことでした。

 

麻酔をして首に打ち込んだものを今度は腕ですか。入院してからは右腕から採血できないくらい弱っているのだけど大丈夫なのかなあと思っていたところ、大きめの絆創膏(のようなシール)を渡されます。

 

「これが麻酔」

 

?どういうこと?

 

どうやらこのシールを貼っておくと、その部位に麻酔がかかるらしいのだ。これからはL-CAP毎に毎回”死ぬほど痛いカテーテル注射”をするので、麻酔が注射でないのはありがたいけど、本当にこんなもので麻酔がかかるのかと不安でした。

 

治療の30分前に貼るよう指示されて貼っておくと、確かにその時間には貼っておいた部位が熱を持った感じになります。ただ、透析室の人に「30分前に貼ったけど、こんなもので麻酔がかかるの?」と話してみたところ、30分前は遅いとの返事が。貼って2時間(だったかな?)くらいに麻酔効果が最大になるのだとか。

 

おいおい、それじゃまだ効き始めってところじゃないか。

 

そこへ主治医が遅れ気味に現れて早速カテーテル注射。

 

それはそれは痛いです。こんな針を入れるよ、ということで注射の前に見せてもらったのですけど、針の中の空洞が見えるくらい太い針(もはや針とはいえないのでは?)を注射するのだけど、変な汗が出るくらい痛いし、案の定血流がうまく取れず、何度か刺し直す始末。おまけに、注射するのは両腕なのだね。

 

シールを両腕に貼ってはいたけど、片方で血流を取れなかった時のための予備かなと思っていたので、とても驚いた記憶があります。半笑いで。

 

この痛みの中、機械がピーピーいってました。多分エラーなのでしょう。技師の方々も上手く血流が取れない、安定しないということを漏らしていました。

 

痛みに耐えること、約2時間。透析室の予約時間をたっぷり使って何とか治療を終えることができたけど、軽く脱水しかけて疲労困憊でした。これが後5回あるのか…。

 

これが3月26日で、次回は3月28日。

 

今回は何とか終えたけど、血流が上手くいかなかったらどうなるんだろう?と思っていたらそれが現実になるのでした。

 

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それぞれのファンタジー

現在、ご依頼をいただいてゲーム作品の音楽を作っています。

 

ファンタジックな世界の元、オーケストラの楽器を主体にしつつ、どちらかというとポップな音楽に仕上げているわけですが、ファンタジーといっても様々だなあって思います。

 

自分が想像するファンタジーっていうと、世界が全体的に貧しいというか、色々なものがくたびれているというか、文化的に色あせているイメージがあって、音楽でそういったものを表現しようとすると、使える楽器も制限されてくるかな、と考えたりします。

 

その世界の楽器、あるいはその世界の人々が耳にするであろう楽器を使った方が、世界に寄り添えるかなと思うわけです。

 

例えば、”色”。

 

イラストレーターさんに聞いた話ですが、今は色彩豊かに絵を描くことができるけど、昔は色そのものを作ることが難しく、とりわけ青という色は高価な材料を必要とするため、多く使うことができなかった、のだとか。

 

なので、ファンタジーのイラストなどでこういった色を人工物へふんだんに使っているのを見ると、自分が想像するファンタジーと、この方の想像するファンタジーは違うんだなあ、と感じるのです。

 

もちろんどちらが良いとか悪いとかの話ではありません。

多分、視点の違いなのだろうと思います。

 

その世界を別の世界から見た人であるか、その世界にいる人であるか。

自分の場合は、後者なのだろうな、と。

 

ファンタジー世界の音楽制作依頼をいただいた際は、自分のスタイルを織り交ぜつつ、クライアントさんのご意見を尊重してファンタジーな音楽を作るようにしていますが、いつか自分の考えるファンタジーな音楽を泥臭く作れる機会があったらいいなあ、なんて思うのでした。

禁食24日を経て

前回、首のカテーテルが血液凝固で詰まったという話でした。 

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おかげで結構しんどいことになるのだけど、その処置の前に25日から食事が始まったのです。

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その時の食事がこちら。

重湯とスープにりんごジュースです。

 

低残渣食といって、腸に負担のかからない食事ですね。重湯というのはお粥の米がないもので、暖かいとぎ汁みたいな感じかな。ただ、ほのかに梅の味(香り?)がします。

 

元々、ものを食べるのがそれほど好きではないのだけど、この時ばかりは嬉しくて楽しみでもありました。まあ、食べるといってもほとんど飲む(スプーンですする)だけでしたけど。

 

また、食事が始まったことで点滴からも解放されました。

 

点滴が繋がっていると服も着替えられないし、移動するのも点滴台を転がして行かないといけないので、なんだかんだで面倒なんですよね。

 

私の病室に掲げられていた「禁食中」というプレートも外されて、いよいよ回復に向かうわけです。いやあ生きているって素晴らしい。

 

この日が3月に入って初めての食事だったので、大体24日間食事をしなかったことになりますね。(入院前日の1日にも食べたけど、かまぼこ一欠片だった)体重も落ちて落ちて、48kgくらいだったかな。まあ痩せたよ。板の間に座ると痛いくらいお尻の肉がなくなった。

 

この病気になって最初に病院へ行ったのが1月下旬で、その時は60kgくらいあったから、かれこれ12kg近く落ちたことになるわけだけど、食わなければ体重が落ちる、ということを実践してみたわけだ。

 

世の中には痩せたい人が多いそうだけど、話は簡単。

痩せたかったら食わなければいいのだ。

 

病院ダイエットは痩せますよ。あんまりオススメしないけど。

 

この数日後に重湯が五分粥(半分お米)になり、更にその数日後、ご飯になったのでした。病院食は味が薄くて美味しくないって聞くけど、私が薄味好みだからなのか、薄いとは感じませんでした。コンソメスープなんかちょっと濃いくらい。

 

ただ、向かいの爺さんは、味が薄くて不味いと言っては食べ残し、せんべいを間食してましたね。こちらの体調を気にして用意してくれるものを食べずに、間食するっていう神経が私には理解できなかったな。それとも歳をとるとあんな風になるのか?

 

周りの病人をみて感じたことは色々あったけど、それはまた別の機会に譲るとして、とにかく食事が始まったのは、喜ばしいことでした。普通にご飯を食べられるってことにもっと感謝しないといけないな。

 

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Liteな層だとは思う

先日、SwitchのLiteが発表されました。

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だいぶ前に、どこかのニュースサイトで「性能を絞ったSwitchがリリースされるかもよ」という記事を読んだのですが、形こそ違うもののそういうものがリリースされるんですね。情報が漏れていたのか漏らしていたのかは知らないけど。

 

テレビを持っていない私としては、Switchが発表された時ゲーム機自体の面白さもさることながら、テレビを用意しなくても遊べることに大変興奮したことを覚えています。

 

ただ、是非購入したいと思いつつ当時はどこへ行っても品薄で、ずっと購入できず、購入できるようになったら私が忙しくなり、結局購入できていません。

 

今回Liteがリリースされるということで、ほとんど携帯ゲーム機のような使い方をする人間にとっては、こちらの方がいいのかなあ、と思ったりしているのですが、実際のところはどうなんでしょう?二台目にどうぞ、という感じがするけど。

 

機能を絞ったそうなので、今後”面白そうだけど遊べない”ゲームが出てくるのかな?個人的には、コントローラーを持って体を動かす遊び(wiifitとか)が好きなので、Liteでない方を選んだ方がいいのかなと思ったりするけど、そういうゲーム自体があまりリリースされていないような気もするので、Liteを選んだ方がいいのかな?と思ったりもする。

 

また、今回のLiteが3DSの後継、という話も耳にするので、今後は携帯を前提としたゲームもSwitch用としてリリースされていくのかな?どうなんだろう?

 

Liteのリリースは9/20。

 

その頃は、ご依頼いただいている音楽制作もひと段落しているはずなので、周りを見つつ少し考えてみようかなあと思います。

白血球除去療法を受けて

前回は、L-CAPのためのカテーテルを入れたところまででした。 

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3月16日の午後、透析室へ向かいます。

今回初めての入院だったけども、まさか透析室へ行くことになるとは夢にも思わなかったですな。おまけに、1回ではなく全10回必要で、体に負担がかかるから数日おきで行い、入れ替える血液の量もその時の調子によって変更するとか。

 

3月15日にL-CAPの説明を受けて、退院日を逆算した時ガッカリしたのを覚えています。

 

入院時、治療期間は一ヶ月くらいと聞いていたし、この時は関節も痛くないので(食事はまだだけど)無理しなければ普通に過ごせるんじゃないかと思っていたわけです。

でも、病院側としては中途半端な状態で退院させるわけにはいかないようで、色々なものをクリアしなければならないのだね。命の話だし、考えてみれば当たり前ですかね。

 

3月16日から全10回。

土曜日、火曜日、木曜日と続けていくと、4月6日までかかることになり、3月中の退院は絶望的になったわけで、ガッカリでした。まあ、おかげでプロ野球開幕戦を映像で楽しめたけどね。(ライオンズは3タテ食らったから楽しくはなかったが)

 

L-CAPを受ける方はそれほど多くないようで、看護師さんも興味津々の様子でした。毎回透析室まで引率されていくのだけど、「どうだった?」と尋ねられます。血液を入れ替えるので、体が冷えるって思っていた看護師さんもいましたね。

 

実際のところ、何にもなかったです。

 

多少前後するものの、約40分くらい常に血圧を計られながら治療を受けるわけですが、痛くもかゆくもない。ちょっとした違和感が出てきて、少し車酔いのような感じが出てきたかな?というところで終了するので、治療としては楽ですね。ベッドに横になったまま見られるテレビもあるので、春の選抜を見てました。

 

透析室の技師に元高校球児がいて、一緒に選抜の話をしたり、ライオンズのTシャツを着てL-CAPを受けていたら「甥っ子がライオンズファン」という技師の方に声をかけられたり、これはこれで楽しかったです。

 

そんなL-CAPが続いていた24日、カテーテルが血の凝固により詰まったのです。

楽な治療で終わりと思っていたら …一筋縄にはいかないな。

 

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絵画展へ行ってきました

先日、ジャケットのイラストでもお世話になっているイラストレーター(画家?)の長浦さんの個展へ行ってきました。

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写真撮影OKとのことだったので、展示作品の一部を撮影。

 

ジャケットイラストの時は油彩だったのだけど、最近は色鉛筆での作品制作に注力されているご様子で、写真の作品も色鉛筆。サイズも結構大きいんですよ。写真だと今ひとつサイズ感が分からないけども。サイズの分かる何かを一緒に写せば良かったかな。

 

イラスト関連の情報がさっぱりなのだけど、最近はパソコンを使ってイラストを書く方も少なくなく、画材なんかも機械で再現できるとかなんとか。ただ、そんな中でも長浦さんはパソコンを使わず、紙に色鉛筆で書き込むというアナログな制作スタイルだそうです。

 

パソコンのディスプレイや印刷物として見るなら、できてしまえば同じなのかなと思ったりもするのですけど、実際に描かれた展示物として見ると、ザラザラとした質感や色の混じり具合なのが垣間みえて面白いですね。

 

最近は、色鉛筆の講座を開いて先生としても活躍されています。

 

教室では画材から教えてくれるそうなので、興味のある方は覗いてみてはいかがでしょうか。

www.chrono-gate.com

 

今年の展示会は今回のものでとりあえず終了とのこと。

教室の方が忙しくて作品制作はあまりやってないのかなあと思っていたのだけど、どうもそちらに取り組みたいというお話だったので、個人的には嬉しく感じました。

 

私は音楽、彼は絵画。

ジャンルの違う人と創作の話をするのは、楽しいことです。

 

お会いするのは入院時のお見舞い以来でしたが、今回も楽しくお話ができ、自分も音楽制作がんばろうと帰路に着いたのでした。

 

好きなことを思い切りできるという幸せ。

首に注射するという恐怖

常に小腹の空いていた3月15日。

エレンタールを飲みつつ、このままお腹の調子が戻れば退院かなあと思っていました。

 

そんな、のんびりと読書していたところへ主治医が颯爽と現れて言うのです。

 

「明日からL-CAPやりたいから、午後にでも首にカテーテル入れさせて。で、首は色々とあるから、この書類に一筆書いて」

 

L-CAP?首にカテーテル?何それ?

 

詳しく聞いてみるとステロイドだけだと治療効果が今ひとつなので、会議でL-CAPもやろうとなったらしい。そう、治療方針は週一の会議で色々な先生が集まって議論しているのだ。頼もしいではないか。

 

で、そのL-CAP、白血球除去療法と言う治療らしいのだけど、名前の通りのもので血液を一度外へ出して、綺麗にして戻すというものらしく、透析室で行うものだそうな。透析とは違うけど、まあ似たようなものだとか。

 

その為、血液を循環させる管を入れる必要があるのだけど、L-CAPは10回必要らしく、その度に管を入れるのは大変なので、首に蓋つきの管を入れて、治療の時は、血液を浄化させるだけで済むようにしましょう、と言うわけですな。

 

首に注射なんてしたことある?

 

腕や股、尻にはあるけど首はないので、まあ怖い。

しかも一筆書かされるということは、そういう危険もあるのだ。

おまけに、血液循環用の管なので、通常の注射より太く、看護師さんが言うには死ぬほど痛いらしい。注射をするために注射をするそうだが、看護師さんが病人をビビらせるって何よ?

 

午後2時、処置室へ移動。

 

菌の類が入ってはいけない、ということで、先生たちは手術着のような完全防護で、私も首のところに、処置する部分だけが空いたシートを被せられ、上半身裸。念入りに消毒をされた上で、エコーをかけられ準備されます。

 

処置部分に麻酔注射を二、三発打たれたので、本命のカテーテル注射の痛みはそれほどでもなかったのですが、処置中、恐怖から手の震えが止まりませんでした。ついでに言うと、シートのおかげでちょっと息苦しい。

 

処置時間は30分くらいかな、首にカテーテルを植えつけられて、簡単に取れないよう縫われたため、常に首を引っ張られているような状態です。麻酔が切れるとズキンズキンと痛く、首に力を入れたり、水を飲んだりしても痛い。

 

先生や看護師さんは、「そんなに首を傾げなくても普通にして大丈夫だよ」と言うのだけど、私だって好きで首を傾げているわけじゃないのだ。そうなっちゃうのだよ。この頃、体重も50kg切りそうだったし、首を傾げてヨロヨロ歩く私を見て、なんだか痛々しいと看護師さんに言われたものだ。

 

その夜、怖い夢を見ました。

 

首と左腕を鎖で繋がれて牢屋に入れられる夢。

そこでおかしな生き物をけしかけられるところで目が覚めたのだけど、目が覚める寸前、何か柔らかなものに触れた気がしたんですよね。看護師さんがうなされている自分を起こしてくれたのかな、とも思ったんですけど、いないし。結局よく分からない。

ちなみに、左腕の鎖は点滴ですね。

 

3月16日からL-CAPが始まります。

 

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